Flutter 非同期処理ガイド – 6パターン完全比較

投稿者: | 2025年6月5日

Flutter 非同期処理ガイド – 6パターン完全比較 (GetXベース)

はじめに

Flutterの状態管理にGetXがあり、それはリアクティブプログラミングを採用していて、非同期処理の細かな制御が可能だと述べた。

非同期処理には概ね6パターンがあり、場合によって使い分けることで期待通りの動作をさせられる。

本ドキュメントでは、Flutterアプリケーションにおける非同期処理の6つの代表的パターンと、GetXやRiverpodを利用した際の適用方法、特にSQLiteなどローカルデータベースとの連携に関するベストプラクティスを解説する。


非同期処理の6パターン

パターン 特徴 使用タイミング 備考
1. async/await チェイン 最も直感的な順次実行 単純な順序制御 await を付け忘れに注意
2. Future.then() チェイン 明示的なPromise的処理 多段非同期処理で明示したいとき 可読性がやや低い
3. Future.forEach / for-loop await 明示的な逐次処理 リストを順番に処理したいとき 配列などの逐次処理に強い
4. Future.doWhile() 条件付き繰り返し 状態に応じて再試行する処理など 複雑な条件分岐に注意
5. Isolate.spawn() 重い処理の分離 DB/画像/暗号化等の重負荷処理 通信処理とは使い分けを推奨
6. Queue / StreamQueue 順序制御の強化 複数タスクの直列実行 状態変化の監視にも強い

SQLite を含む場合のベストプラクティス

基本戦略

  • GetxController を用いて状態管理を一元化

  • 非同期処理と状態の更新を一つの場所にまとめる

  • Rx 変数で状態を監視し、UIと同期させる

サンプル構成

class DataController extends GetxController {

final dataStatus = Rx\<LoadStatus>(LoadStatus.idle);

Future\<void> loadAndSyncData() async {

dataStatus.value = LoadStatus.loading;

try {

final remoteJson = await fetchFromAPI();

final localDb = await loadFromSQLite();

final updated = compareJsonWithDb(remoteJson, localDb);

if (updated.isNotEmpty) {

await saveToSQLite(updated);

}

dataStatus.value = LoadStatus.success;

} catch (e) {

dataStatus.value = LoadStatus.error;

}

}

}

パターンごとの SQLite 適用可否

パターン SQLite向きか 備考
async/await 単純な読み書き処理に最適
then() チェイン 複雑な非同期処理にも柔軟
for-await / forEach データの逐次更新処理に強い
doWhile 条件分岐が複雑化しやすい
Isolate DB移行・一括変換などに有効
Queue イベント駆動、変更検知に強い

実装の観点でのまとめ

  • GetXのRx型を用いた明示的な状態管理は、可視性と安全性が高い

  • RiverpodのAsyncValueは、状態管理の再現性を高めるが導入に学習コストが必要

  • SQLiteと連携する場合は、状態変化の契機を明示できる構成が望ましい


議論のためのチェックポイント

  • GetX Controller に処理を集中させることで責務を明確にする

  • 複雑な状態遷移がある場合は Queue や StreamQueue を導入

  • Isolate は CPU負荷が高い処理に限定

  • 起動処理でどのパターンが適しているか、アプリの規模・更新頻度に応じて判断


参考

このドキュメントは、GitHubリポジトリ flutter_async_exec_patterns と連携しています。

より詳細なコード例や、GetX/Riverpodによる実装比較は GitHub の examples/ および docs/ ディレクトリに掲載する予定。

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